Christhie, Risca ( 0342006 ) (2007) Kehidupan Mori Ogai Yang Tercermin Dalam Cerpen Fumizukai (文づかひ). Undergraduate thesis, Universitas Kristen Maranatha.
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Abstract
短編『文づかひ』に反映される森鷗外の実生活 序論 文学は人間の生活から切り離すことのできないものである。文学は想 像的な別世界を生み出すことができるので、コミュニケーションの媒体とし てだけではなく、娯楽の媒体としても役割を果しているのである。 文学作品は単にフィクションを土台に書かれたものだけではなく、作 者自身の実生活を物語るものもある。1891年1月に書かれた森鷗外の 『文づかひ』には鷗外自身の実生活を反映する要素が多く見られる。本論文 は鷗外の『文づかひ』に反映される鷗外自身の実生活を分析するものであ る。分析にあたっては、エクスプレシーブ・アプローチを使うことにする。 本論 『文づかひ』は独逸へ派遣され、ザックセニ軍隊の機動演習を参加し た森鷗外の経験を語る。その鷗外の実生活は人物である小林を通して反映さ れる。 1.小林の職業 小林はザックセニ軍団につけられた日本の少年士官であり、秋の演習 に参加した。彼がザックセニにいるのは国の任務によるものである。 鷗外もザックセニの12師団の秋の演習に参加した。ザックセニは独 逸の州の一つ、東方に位置するのである。鷗外も医学及び、医務の管理に関 することを学ぶために独逸に派遣されたことがある。これは次の文から見る ことができる。 一月中旬に入りて昇進任命などにあへる士官とともに、奥のおん目見 えをゆるされ、正服着て宮に参り、… (文づかひ:407) 2.独逸の地位の高い階級との小林の交際 2.1 ザックセニ貴族と小林の出会い 小林は隊と共に演習に参加した時、メエルハイムやビュロオ伯やイイ ダ姫などザックセニ貴族と出会い、交際したのである。更に、彼はザックセ ニの国王に紹介された。大隊長と共に上流階級と知り合うようになったので ある。 鷗外もビュロオ伯やイイダ姫というビュロオ伯の娘など貴族と出会っ たのである。彼もアルベルト王というザックセニの国王に紹介されたのであ る。鷗外が演習に参加したのは友達になったウィルヘルムロツ大将というザ ックセニ医学部の軍隊の隊長の推薦なのである。ロツとの友好は鷗外がザッ クセニの上流社会階級と知り合うきっかけになったのである。 ビュロオ伯は常の服とおぼし黒の上衣のいと寛きに着更へて、伯爵夫 人とともにここに居り、かねて相識れる中なれば、大隊長と心よげに 握手し、われをも引合はさせて、胸の底より出づるやうなる声にてみ づから名告り、… (文づかひ:392-393) 2.2 小林が出席する祭りと宴会 小林は秋の演習に参加した後、隊と共にドレスデンへ戻ったのであ る。彼は新年の祭りに出席する以外に、舞踏会にも招かれたのである。鷗外 もドレスデンの新年に、王宮の祭りを出席し、多くの舞踏会に招かれたので ある。ドレスデンの王宮によく出入りし、極上流の社会と交際したのはその 時だったのである。 国王の新年ははなばなしく、足もと危なき蠟磨きの寄木を踏み、国王 のおん前近う進みて、正服うるはしき立ち姿を拝し、それよりふつか 三日過ぎて、国務大臣フォンファブリイス泊の夜会に 招かれ、… (文づかひ:407) 3.見合い 『文づかひ』にある見合いは森鷗外の見合い結婚と関連する。森鷗外の 姿は人物である小林によって反映されるだけではない。鷗外はイイダ姫を通 して、見合いについて、ザックセニ貴族の生活を背景にして、自分の感情と 考えを表現するのである。『文づかひ』は鷗外が見合いの経験をしたしばら く後の、1891年1月に書かれたものである。 3.1 ザックセニ貴族における見合い結婚 ザックセニ貴族における見合いは明瞭に描写されている。イイダ姫の 姉というフォンビュロオの娘と国務大臣ファブリイス伯の子の結婚で始まっ た。その結婚は貴族という同階級の二つの家族を巻き込む。これはイイダ姫 に続いている。彼女は軍人で貴族出身であるメエルハイムと結婚を強いられ るのである。しかし、イイダ姫はその見合いを悔やんでいたのである。親に 選ばれた男・メエルハイムがぜんぜん愛しないからである。 鷗外の場合、アカマツトシコと一緒に暮らすのは強制されたようなも のである。彼は一人の独逸少女に愛を犠牲にし、自分が愛をないトシコとい う親が妥当だと思う女性と結婚した。しかし、彼らの関係は愛に基づいてい なかったので、鷗外は結婚生活を営む振りをすることができなかったのであ る。結婚の絆は一年半だけ持ち堪えて、その間にも、鷗外はとても苦労し て、幸せではなかったのである。その愛情は鷗外の心の中では育たなかった のである。 我とてもその直ぐなる心を知り、貌にくからぬを見る目なきにあらね ど、年頃つきあひしすえ、わが胸にうづみ火ほどのあたたまりも出来 ず。ただ井筒厭ふにはゆるは彼方の親切にて、ふた親のゆるしし交際 の表、かひな借さるることもあれど、ただ二人になりたるときは、家 も園もゆくかたもなう鬱陶せく覚えて、こころともなく太き息せられ ても、かしら熱くなるまで忍びがたうなりぬ。何ゆえと問ひたまふ な。そを誰か知らむ。 (文づかひ:413-414) 3.2 結婚に関するイイダ姫の自由な考え イイダ姫とメエルハイムの見合いはイイダ姫の二親に望まれ、何百と いう年の間に行われた家族の名誉を守るためである。しかし、イイダ姫はそ んなことに対して、自分の考えがあった。イイダ姫にとって、結婚は愛情に 基づくべきものでなければならないのである。小林とその部隊がイイダひめ の住居に泊まった時、彼女は小林に助けを求めて、国務大臣ファブリイス伯 の夫人というイイダ姫の伯母に文を届けるように依頼したのである。その文 は王宮に勤められるように請願するものである。メエルハイムとの見合い結 婚を避けるためという目的である。イイダ姫は小林にメエルハイムとの見合 いについての考えと感情をあらいざらい物語ったのである。ファブリイス夫 人に宛てられたイイダ姫の文は自由をしばる習慣に対するイイダ姫の拒否の 恰好となり、親の希望に対する拒否の恰好でもある。 鷗外の場合、彼には侍の血筋があり、家族は代々の名高い地区医者で ある。一人の独逸少女とのつながりは彼の家族が大反対するものである。両 親にとって、日本人の国籍の女が鷗外にもっとも相応しいのである。アカマ ツトシコを離れて、離婚した鷗外の決定は親の希望に対する鷗外の拒否であ る。 されど貴族の子に生れたりとて、われも人なり。いまいましき門閥、 血統、迷信の土くれと看破りては、我胸の中に投入るべきところな し。…この習慣の外にいでむとするを誰か支ふべき。 (文づかひ:414-415) 結論 1.エクスプレシーブ・アプローチを使って、『文づかひ』にある森鷗 外の実生活を証明することができた。 2.『文づかひ』において独逸での森鷗外の職業や演習に参加したやザ ックセニ貴族階級との交際は登場人物である小林を通して、明瞭に 反映される。 3.『文づかひ』に森鷗外の姿は登場人物である小林だけではなく、イ イダ姫という登場人物を通しても見ることができる。見合いに関す るイイダ姫の自由な考えと感情は鷗外の実際の考えと感情を代表す るのである。
Item Type: | Thesis (Undergraduate) |
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Subjects: | P Language and Literature > PN Literature (General) |
Depositing User: | Perpustakaan Maranatha |
Date Deposited: | 13 Oct 2014 10:59 |
Last Modified: | 13 Oct 2014 10:59 |
URI: | http://repository.maranatha.edu/id/eprint/7481 |
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